遺留分に配慮しての相続分
子の法定相続分は、長男、次男などにかかわらず平等です。結婚したり養子縁組(一般養子)、姓が変わったとしても、その相続分は変わりません。
複数いる子のなかに、特に世話になった子がいる場合など、遺言で相続分に差をつけることができます。たとえば、同居している長男に今後も妻の世話を頼むつもりであれば、長男の相続分を多くしておけばよいのです。
相続人が妻と子3人であれば、法定相続分は妻が2分の1、子は2分の1を三等分するので、それぞれ6分の1となります。妻の相続分は2分の1のまま長男以外の子の遺留分を侵害しない範囲で、長男の相続分を多くする場合は、次のようにします。
たとえば長男の相続分を3分の1として、残る二人の相続分は遺留分に等しい12分の1ずつとします。また、妻の相続分を少なくすれば、長男に3分の1以上相続させることもできます。トラブルの心配がなければ、他の相続人の遺留分を侵害する相続分を指定することもできます。
先妻の子に多く相続させる遺言書
先妻と死別し、再婚して両方の結婚で子どもがいる場合、先妻の子と現在の妻(後妻)の子との法定相続分は同じです。
しかし、後妻との子はいずれ後妻が亡くなったときに、後妻が遺言者から引き継いだ財産をも引き継ぐことになります。
できるだけ公平な相続を行いたいと思うのであれば、先妻の子に多く相続させておきます。ただし、先妻の子が後妻と養子縁組をしていれば、後妻の死後、両方の子は等分に後妻の財産を相続することができます。
また、死別した先妻から遺言者が引き継いだ財産を、先妻との子に相続させたいのであれば、遺言に明示して相続させます。
非嫡出子の相続分
平成25年9月4日「非嫡出子の相続分を嫡出子の2分の1とする民法の規定は違憲である」との最高裁判決が出ました。これを受け、同年12月5日に、「民法の一部を改正する法律」が成立し、非嫡出子の相続分は、嫡出子と同等になりました。
たとえば、相続人が妻と嫡出子二人、非嫡出子一人であった場合、それぞれの法定相続分は、妻が2分の1、嫡出子6分の1、非嫡出子が6分の1となります。
非嫡出子が法定相続人になるには、認知されている必要があり、認知は遺言でもできます。
遺言での認知の場合は、被相続人が非嫡出子の存在を隠していた場合など、妻や嫡出子が納得し難く、トラブルが予想される場合もあるでしょう。そのような場合、法定相続分と同じであっても、遺言でそれぞれの相続分を明確にしておくことは意義があるといえます。
財産の分割方法の指定
遺言により、それぞれの相続人の相続分を指定しておくと、実際にどの財産を誰が受け取るかは相続人全員の話し合いによって決められます。
話し合いがスムーズにいくかどうかが心配であれば、財産の分割方法を第三者に委託することもできます。
分割方法の委託のみならず、相続分とあわせて委託することもできます。その場合の遺言は「遺言者の所有する全財産について、相続分および分割方法の指定を〇〇に委託する」とします。
委託する相手は友人、知人などでも構いませんが、司法書士などのプロに委託した方がよいでしょう。
越谷市・春日部市の遺言書作成美馬克康司法書士事務所

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