信託銀行に遺言信託し、遺言執行者を指定
相続人に障害者や未成年の子がいて、今後の生活が心配な場合は、財産の管理・運用の期限を決めて信託銀行などに委託し、その利益金を子の生活費として充てる方法(信託)があります。
信託した財産は、信託機関が終わったら相続人が受け取ることができます。
遺言書には、「受託者(信託を受ける側)、受益者、信託財産、収益金の支払い方法、信託期間、権利帰属者(信託期間終了後に財産を受け取る権利のある人)」を明記します。
未成年者の後見人を決める
相続人である子が未成年である場合、親権者である遺言者の死後、もう一方の親が親権者として存在すれば、後見人を指定することはできませんが、親権者がいなくなってしまう場合は、後見人を指定することができます。
後見人は親権者に代わって、その子の教育・監護・財産管理を行うことになります。
後見人には信頼できる人を選び、事前に承諾を得ておくことが必要です。
後見人を決めておいても、まだ不安が残る場合は後見人の監督をする「後見監督人」を指定することもできます。
後見監督人は、後見人がその任務に不適当と思われる場合には、家庭裁判所に後見人の解任を申し立てることができます。
遺産の分割を禁止する
遺言者の死後、相続のために財産を分割してしまうと、会社や店が継続できなくなってしまったり、財産が土地と建物だけで、妻の住むところがなくなってしまうなどの心配があるときは、遺言で遺産の分割を禁止することができます。ただし、禁止期間は遺言者の死後5年以内です。
また、分割禁止を遺言しておいても、相続人全員の同意があれば分割できます。相続人の理解が得られるように遺言者の心情を記しておきましょう。
禁止期限以後の財産の分割については、第三者に委託することもできます。
特別受益の持戻しの免除
被相続人(遺言者)からの多大な学費の援助や住宅資金、結婚資金、独立資金などの援助は、相続のときに特別受益として相続分から差し引きます。これが「特別受益の持戻し」です。
「特別受益の持戻し」は、遺言によって免除することができます。特別受益の持戻しを免除するときは、どのような贈与を免除するのかを明記します。
なお、婚姻期間が20年以上の夫婦で、配偶者に居住用不動産の贈与があった場合は、持戻し免除の意思表示と推定されます。
「特別受益の持戻し」については、どの生前贈与が特別受益になるのか、金額はいくらなのか、など遺産分割協議のときにもめることがあります。
特別受益に該当する生前贈与を行なった場合は、遺言書にその旨を記載しておくことも分割協議をスムーズに進めることの一番でしょう。
寄与分について
被相続人の財産の維持や増加に特別に貢献した人に、法定相続分とは別枠で寄与相当の相続分が認められるのが「寄与分」の規定です。
寄与分は、相続人の話し合いで決められるものなので、遺言に書いても法的な効力はありませんが、寄与分を認めるかどうか、認めるとすればどのくらいの額にするかを話し合ううえでの判断材料になります。
行方不明の相続人
遺産分割協議には相続人全員が参加し、全員の合意がなければ遺産を分割することはできません。
相続人に行方不明者がいる場合には、協議を進めることができなくなります。
そこで、利害関係人が、家庭裁判所に申し立てて、行方不明者の財産を管理する不在者財産管理人を選任してもらい、不在者財産管理人が加わって分割協議を行います。
行方不明者に財産を相続させたい場合は、相続分を指定し、不在者財産管理人の候補者の名前を記しておくとよいでしょう。
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