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秘密証書による遺言

秘密証書による遺言

秘密証書遺言の方式としての特徴

秘密証書遺言は、遺言者が遺言の証書に署名・押印して、それを封じ、証書に用いた印章で封印し、次いで公証人一人および証人二人以上の前に封書を提出し、自己の遺言書である旨、ならびに遺言書の筆者の氏名および住所を申述します。

さらに公証人がその証書の提出された日付および遺言者の申述を封紙に記載したのち、遺言者および証人とともに署名・押印する方式のものです。

この方式は、遺言の存在自体は明らかにしておきながらも内容はできる限り秘密にしておこうとする場合に有用です。

公証人を関与させることで、偽造・変造のおそれを少なくするという利点もあります。

遺言者は署名さえできれば、ほかに文字を書くことができない場合でも、遺言をすることができます。

もっとも、公証人は遺言書の内容を確認できないので、方式違背で無効となる可能性もあります。

遺言内容の守秘については、遺言書以外の者による筆記も許されているので限界があります。

秘密証書遺言はあまり利用されていないようで、年に90〜110件程度(平成21年〜30年)です。

公証人の限定的関与

秘密証書遺言における公証人の関与は、遺言者から遺言証書のおさめられた封書を受け取り、提出日および遺言者の申述を封紙に記載し、署名・押印をすることにとどまります。

封紙は公正証書となりますが、封じられた遺言書そのものは、公証力をもちません。

封紙を綴じた遺言書は公証役場では保管されず、遺言者に戻されます(法務局における遺言書保管制度を利用することもできません)。公正証書遺言とは異なり、家庭裁判所の検認が必要です。

秘密証書遺言の要件

遺言証書の作成

秘密証書遺言の場合は、遺言の証書を自書する必要はありません。手続きに関与する公証人や証人が筆者となることも差し支えありません。パソコンや印刷されたものでもよいのです。

作成の日付の記載も特に必要とはされていません。日付は、遺言証書の提出された日付が公証人によって封紙に記載されるからであって、封紙の日付が遺言者の能力あるいは遺言作成の前後の判断基準となります。

遺言者は、証書に署名し、押印しなければなりません。ただし、押印は、遺言者自らがなすことを要せず、他人をして押印させることができるという見解もあります。

遺言証書の封入・封印および公証人への封書の提出

遺言者は、遺言証書を封じ、証書に用いた印章をもって封印し、公証人一人および証人二人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨、ならびに筆者の氏名および住所を陳述しなければなりません。筆者の特定は、相続開始後に紛争が生じた場合の真実性の担保のためです。

一部を遺言者が記載し、他の部分は別人が筆記した場合、筆者が誰であるかが問題となります。

最高裁判所判例平成14年9月24日に次のような事例があります。
すなわち「遺言者が氏名と日付を自書しているが、その余は他人がワープロを用いて文章を仕上げ、印字して遺言の証書を作成した場合、ワープロ操作者が筆者にあたる」と判示しました。

公証人による封紙への記載と公証人・遺言者・証人の署名・押印

公証人は、遺言者が証書を作成した日付および遺言者の申述を封紙に記載したのち、遺言者および証人とともに封紙に署名し、押印しなければなりません。公正証書の場合と異なり、公証人の付記によって遺言者の署名に代えることはできません。

秘密証書遺言の加除訂正

秘密証書遺言の加除訂正は、自筆証書の加除訂正の方式、民法968条3項に準じます。

民法968条3項
自筆証書(前項の目録を含む。)中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

変更についての付記・署名・押印は、遺言者自身がしなければならないかについて、学説はわかれます。付記については、本文の筆者が遺言者自身であった場合でも、他人によることが認められられるでしょう。

署名は遺言者がするべきですが、押印は遺言者の指示で筆者その他の者がしても差し支えありません。

民法970条
1. 秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
  1. 遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。
  2. 遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。
  3. 遺言者が、公証人一人及び証人二人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。
  4. 公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。
2. 第968条第3項の規定は、秘密証書による遺言について準用する。

記事作成:司法書士・行政書士 美馬克康

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